Crazy - Gnarls Barkley 訳とかいろいろ

[出典]

LAW & ORDER:犯罪心理捜査班(Law & Order: Law & Order: Criminal Intent)という、Vincent D'Onofrioが主演を務めるアメリカの刑事ドラマをよく見ています。L&Oのスピンオフ作品のひとつで、この作品は刑事パートと法廷パートの刑事パートに焦点を当てた作品です。Vincent D'Onofrioの魅力をたっぷり楽しめるドラマなんですが、今回はそれ自体ではなく、FOXでのこの番組のCMに使われている曲「Crazy」について書いてみたいと思います。





Crazy - Gnarls Barkley 

日本語訳

※基本的にそのままとっていますが、一部ざっくり意訳だったり訳に信頼性はあんまりないです

I remember when, I rememer , I remember when I lost my mind
There was something so pleasant about that place
Even your emotions had an echo
In so much space
自分がおかしくなった時のことは覚えてる
すごく心地のいい場所で、お前の感情さえその広い空間に響き渡ってるみたいだった


And when you're out there
Without care
Yeah, I was out of touch
But it wasn't because I didn't know enough
I just knew too much
だけどお前は俺なんかお構いなしに知らないところに行ってしまって
すっかり離れ離れになっちまった
でもそれは俺が何も知らなかったからじゃない
むしろわかりすぎてたんだ


Does that make me crazy?
Does that make me crazy?
Does that make me crazy?
Possibly
それで俺はおかしくなったのか?
そのせいで俺はこんなに狂っちまったのか?
多分そうだろうな


And I hope that you are having the time of your life
but think twice, that's my only advice
俺はお前が自分の人生を満喫していることを願ってるよ
でもよく考えて行動すること、それだけは言わせてくれ


Come on now, who do you, who do you, who do you, who do you think you are,
Ha ha ha bless your soul
You really think you're in control
一体自分が何様だと思ってるんだ?
そいつはすげえや!(*1)
お前はほんとに自分で自分を制御できてるって思ってるのか?(*2)


Well, I think you're crazy
I think you're crazy
I think you're crazy
Just like me
おまえは狂ってるよ
自分のことをわかってるやつなんていないだろ
お前も狂ってる
俺と同じさ


My heroes had the heart to lose their lives out on a limb
And all I remember is thinking, I want to be like them
俺のヒーローはどんな危険な時だって自分の命を投げ出せる強さを持っていた
思い出すのは全部その時に考えていたことだ、自分もそうなりたかったって


Ever since I was little, ever since I was little it looked like fun
And it's no coincidence I've come
And I can die when I'm done
小さな頃からずっといいなって思ってたんだ
俺がこうなったのは偶然なんかじゃない
あの人達みたいになれたら死んだっていいって思ってるよ


Maybe I'm crazy
Maybe you're crazy
Maybe we're crazy
Probably
きっと俺は正気じゃないんだろうな
お前だってそうだ
狂ってないやつなんていないんだろう
きっとそうなんだろう


*1 "bless your soul"はそのままだと「君に神のご加護を」ですが、なにか(悪い意味で)おかしなことを言ったり、ひどいことをやらかした時に言われる言葉みたいな意味もあります。この場合は"who do you think you are"(お前は自分を何様だと思ってるんだ)という質問に対して、質問された側がとんでもなく馬鹿なことを答えたので、それで"ha ha ha"と笑って"bless your soul"(そいつはすごい、おめでたいこった)と皮肉たっぷりに返しているという流れだと思います。

*2 自分で自分のことをよくわかっていて、自分できちんと自分や周りの状態をコントロールできる、制御された状態である(混沌の反対)みたいなのを上手く簡潔な文にできませんでした。


Gnarls Barkleyについて

Danger MouseとCeeLo Greenの二人組です。

Danger Mouseは「音楽家」「プロデューサー」と言えばいいんでしょうか……。Jay-ZのThe Black AlbumとBeatlesのThe White Albumとのマッシュアップアルバム「The Grey Album」が有名です。(Beatlesの権利を持ってるEMIが出荷を止めさせたのでCDは流通してないですが、その時の騒動でネットにコピーがいっぱい出回っています。)プロデュースしたものにはGorillazのDemon Daysとかがあって、いま現在は来年リリース予定のレッチリのアルバムに関わっています。プロデュースでない直接的な参加ではこのCrazyが一番有名だと思います。

CeeLo Greenは日本だと



この「Forget You」が有名かなと思います。歌もラップもこなす歌手であり、歌も作れてプロデュースもできて、(こちらは直接見たことはないんですが)wikipediaによると俳優業や声優業などもしているようです。

Gnarls Barkleyとしては現在Crazyを収録した「St. Elsewhere(2006)」と「The Odd Couple(2008)」の二枚のアルバムをリリースしています。三枚目を作っているという話もあったようなんですが、その話が出てからもう5年くらい経ってます……。



「Crazy」 曲の情報

マカロニ・ウエスタンの音楽にかなり影響を受けています。具体的には1968年の映画『皆殺しのジャンゴ』(英:Django, Prepare a Coffin、伊:Preparati la bara!)からのサンプリングです(ちゃんとクレジットが表記されています)。ベース?とドラム?の刻み隊と、サビのバイオリンに注目(注耳)するとわかりやすいです。




グラミーのBest Urban/Alternative Performanceに輝いたほか、イギリスのThe Record of the Yearにノミネート、 2006 MTV Europe Music AwardのBest Songも受賞しました。Rolling Stones誌のthe best song of 2006、500 Greatest Songs of All Timeにも名前が上がっています。

またこの素晴らしいミュージックビデオも特筆すべき点の一つです。ロールシャッハテストの映像は、グラフィックデザイナーであるBryan Louieと、監督Robert Halesによって作られました。この映像も2006年のMTV Video Music Awardsのいくつかの賞にノミネートされ、Best EditingとBest Directionに輝きました。

映画『Kick-Ass』や『Birdman』でも印象に残る使われ方をしていましたね。2006年の曲ですが、映画などで聴いて耳に残っている人も多いのではないかと思います。



曲の解釈

歌詞の内容は抽象的です。いろいろな意味に取ることができます。

YouTubeの動画のキャプションには次のようなことが書かれています。
"You are the best. You are the worst. You are average. Your love is a part of you. You try to give it away because you cannot bear its radiance, but you cannot separate it from yourself. To understand your fellow humans, you must understand why you give them your love. You must realize that hate is but a crime-ridden subdivision of love. You must reclaim what you never lost. You must take leave of your sanity, and yet be fully responsible for your actions." -Gnarls Barkley, in a letter to the legendary rock critic Lester Bangs
「お前は最高だし、最低だし、平均でもある。お前の愛はお前の一部だ。愛が持つ輝きをお前は発することができないから人にその愛を伝えようとするけど、自分から愛を切り離せない。同じような人間を理解することで、なんで他人に愛を送るのか理解しなきゃいけない。憎しみは愛の一部分、罪(残念なこと)なだけだって気づかなきゃいけない。お前はなくしてないものを取り戻さなきゃいけない(?わからん)。お前の正気とさよならしなきゃ、そうじゃなきゃお前がすること全てに責任を負うんだ。」

また、Dangerous Mouseは次のようなことを言っています。

"But Cee-Lo and I started talking, and I somehow got off on this tangent about how people won't take an artist seriously unless they're insane. And we were saying that if we really wanted this album to work, the best move would be to just kill ourselves. That's how audiences think; it's retarded. So we started jokingly discussing ways in which we could make people think we were crazy. We talked about this for hours, and then I went home. But while I was away, Cee-Lo took that conversation and made it into 'Crazy,' which we recorded in one take. That's the whole story. The lyrics are his interpretation of that conversation."
一部訳:

Cee-Loと話してる中で、人々がどれだけ"アーティストが頭のおかしいやつじゃないかぎり、そいつらのいうことをまじめに受け取らない"かって話からどうにかして離れたかった。それで、このアルバムをほんとに上手いこといくようにしたかったら、一番いい手は"自分たちを殺す"しかないって言ってたんだ。聴衆の考えるのはこうだ;これは遅れてる(?)。それで僕たちは冗談めかしてどのやり方でみんなに僕らが狂ってるかって思わせることができるかって話し合いを始めたんだ。これについては4時間も話したよ。その後僕が帰った後、Cee-Loはその会話から着想を得て「Crazy」を作ったんだ。

Cee-Loの話はこちら
「ある1つのことを意味しているわけではない」とシー・ローは話し始めた。「多くの異なる状況に関連できるよう、一般的な言葉を使おうと務めた」。 
「でも、オレが理解することには、オレたちは人生という雄大な度合いの不確実性の下に生まれたということ」と彼は続けた。「もし人生をもう一つ別のものと同等視するとすれば、それはチャンスだ。そしてもしチャンスを試さなければ、本当に生きているとは言えない。そして残りの人生ただじっと待っているだけなんて、オレにとってはクレイジーなことだ」。


というのを踏まえて、もう一度歌詞を見てみます。
I remember when, I rememer , I remember when I lost my mind
There was something so pleasant about that place
Even your emotions had an echo
In so much space
正気を失った時のこと。「何かひどいことを経験したり、こんなひどい世界で生きていくには、自分もひどくならなきゃいけない」「マッドな世界では自分もマッドにならないとやっていけない」みたいなのはゲームや映画でもよくあると思います。正気を失ってしまえば、ひどいことにまともに取り合わなくてもいいし、何も考えなくても良くなります。


And when you're out there
Without care
Yeah, I was out of touch
But it wasn't because I didn't know enough
I just knew too much
"out there"っていうのはよく使われる英語表現です。辞書をひくと「外に」とか「向こうに」とか「世の中に」っていうのが出てきますが、「”壁を隔てた”向こう側に」、とか、自分とは離れた別の場所にってかんじの意味が内包されているかなと思います。
この場合の「遠いところに行ってしまった」は、正気を失ってしまった"you"が、物理的ではなく心理的にもう自分の声が届かないところに行ってしまったという意味ではないか、と考えます。正気でないということは、"care"することもできません。
"out of touch"は辞書には「接触していない」「連絡が取れない」「情報に疎くなって」と載っています。"touch"には「触れる」という意味がありますが、これは物理的な意味にとどまらず、精神的な触れ合いも含んでいます。





長々書きました。まだ最後までいってませんが、疲れたので今日はここまで。
テレビなどで様々なアレンジも披露しています。そちらを少し貼って終わります。


From the Basementという番組から。



第49回グラミー賞(2007)でのパフォーマンス。パイロットの制服が似合ってますね。他のライブだとコーラスの人がキャビンアテンダントの衣装を着てました。


MTV Movie Awards 2006、STAR WARSコスプレ。

カバーしている人もプロ・アマ問わず多くYouTubeに動画をあげてます。
Christina Aguilera・Adam Levine・Blake Shelton・Cee Lo Greenという豪華なメンツが一同に介したバージョンもあるし、オーディション番組で使う人も多いみたいです。



こちらはコロンビアのThe Voice Kids、14歳のダニエラちゃんです。



アメリカのThe Voiceより。アラスカ州出身らしいです。


Crazyを収録しているSt. Elsewhereの尼リンク(デジタルミュージックストア版)です。

Notlob

文章を書くのが苦手なので、練習も兼ねていろいろ書いてます。ゲームプレイ日記とか覚え書きが多くなりそうです。英訳のミスの指摘をいただけるとありがたいです。

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