映画メモ: 『肉』 We Are What We Are (2013)

JULIA GARNER KAWAII(Rotten Tomatoesより)

SYNOPSIS

この家族には、秘密がある。
ニューヨーク州の小さな町で暮らすパーカー一家は、思慮深く、善良な人々として知られていた。厳格な父親・フランクの元、家族は静かに暮らしていたが、ある日、母親のエマが不慮の事故により亡くなってしまう。悲しみに暮れる中、美しい姉妹・アイリスとローズは、母親の代わりに一家を支えなくてはならなくなった。彼女たちに与えられた役割は幼い弟のロリーの面倒を見ることと、先祖代々一家に伝わる恐ろしい儀式を引き継ぐことだった……。折しも町を襲った嵐のせいで、木々はなぎ倒され、川は氾濫する。激しい雨に洗われた大地では、地元の医師・バローは奇妙な骨片を発見する。それは、パーカー家が抱えるおぞましい秘密へと続く手掛かりだった……。
 (Amazon.co.jpより)

MOVIE INFO

邦題: 肉
原題: We Are What We Are
公開日(アメリカ): 2013年9月27日
公開日(日本): 2014年5月10日
監督: Jimm Mickle
ジャンル: ドラマ、ホラー、ミステリー&サスペンス

REVIEW

OVERVIEW

日本版のポスターに描かれたレースのでっかい「肉」に惹かれて(B級か!?)って思って観たんですが、最初に想像したのとは違う雰囲気の映画でした。しっとりとした悲しみが漂う退廃的なイメージと美少女ふたり、タイトルの『肉』から想像してしまう(?)タイトルオチの一発芸てきなB級感はありません。耽美的なという形容が似合う映画でした。ラストの描き方は賛否ありそうですし、ラストだけみるならこの『肉』から感じるちょっとアレなかんじもわからんではないかも……?

家族に伝わるある”しきたり”を守らなくてはいけなくなってしまった姉妹の苦しみがよく描かれてます。ホラーで、さらにもっとゴアになっていい題材ですが、それをはっきり描くのではなくじわじわと見せています。正確には見せるというより、感じさせる程度の描写ですが。ストーリーが上手く見せられているし、しっかりと詰められた語られ方をしていると感じます。

R18+ですがグロい描写はほとんどありません。美しい姉妹の悲しい物語を楽しむならこれはあなたの求めている映画かと思います。あとJulia Garner(妹役)がかわいい!

2010年のメキシコ映画"Somos lo que hay"(監督:Jorge Michel Grau)のリメイクだそうですが内容はかなり違うらしいです。そちらは観ていないのでわかりませんが、これはこれでアメリカらしい、国にあった内容なのではないかなと思っています。

分けずに一点だけネタバレを描きますが、若い女性(少女)のヌードが含まれるので誰かと見る際はご注意を。

TRAILER















※この先ネタバレを多く含みます














SPOLERS ALERT !

良かったところ

町医者が真相に迫る際に、科学的な見地があったところ
パーカー一族がなぜカニバリズムをするようになったかの理由
「そういう部族だから」とかオカルトっぽいよくわからん理由付けでなく、敬虔なキリスト教の信徒であり、家族の伝統をしっかり守っていこうという父のスタイル(食事のシーンとか"Lamb"とか)
物語全体を取り囲む雰囲気
姉妹がかわいい


ちょっとなあってところ

途中でここどうなったの?っていうすっきりしない点が複数あるところ
邦題とポスターから想像できるものと実態がズレてるような気がするところ(でもレースで描いてるしあってるような…?とよくわからなくなる)


「カニバリズムの映画だよ!」とだけ聞いて観たら退屈しそう。ミニシアター系芸術系?っぽいスローな展開で、グログロスプラッタな描写はありません。田舎のアメリカで感じる、18世紀の重苦しい悲しみ+美人姉妹の苦悩が見どころです。
経験なクリスチャンの振る舞いをする父(でも人肉食を守らなければいけない家のしきたりであると狂信している)、作中で日記を通して明かされる伝統のはじまり、アメリカの土着の問題という感じが強いので、日本人に受けるかと言ったらそういう意味ではかなり剥離を感じそうです。そういった宗教であるとか、ご先祖に親近感が湧けばもうちょっと染み渡るような怖さがあるのかも。

なんかこういうのクリミナル・マインドで観たことあるなあと思いました。殺人鬼の方にちょっと感情移入して、警察側が証拠を見つけたりして真相に近づくとハラハラしてしまうところが。

We Are What We Are

そのままとると「私たちは”わたしたち”だ」でしょうか。ラストの姉妹の”やりかた”を観るとああそういう……ってなりますね。英語で"we are what we eat"という言葉があるようで、そちらにもかけているのかなと思います。

ガジェット通信のあげた予告編動画の、”映画『肉』予告編――あまりに不道徳で美しい禁断のホラー”というのはちょっとどうなんだ。ズレてはないけどそれで期待して観たら肩透かしを食らいそう。でも観てない人に宣伝するにはいいんだろうし他にうまい煽りも思いつかないです。

Notlob

文章を書くのが苦手なので、練習も兼ねていろいろ書いてます。ゲームプレイ日記とか覚え書きが多くなりそうです。英訳のミスの指摘をいただけるとありがたいです。

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