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映画メモ:『レッド・ステイト』 Red State(2011)

この二人は怖がってる顔が良かったです(IMDbより)


SPOILER ALERT


SYNOPSIS

田舎町の高校生トラヴィス(マイケル・アンガラノ)と友人2人は、出会い系サイトを通じて知り合った女性に会いに出かける。ところが、約束の場所に現れたのは中年の女性サラ(メリッサ・レオ)で、3人は超保守派の狂信的キリスト教団体によって監禁されてしまう。性の乱れの象徴として処刑台にかけられる彼らを巡って、教会を包囲した特殊部隊と狂信者との銃撃戦が始まる……。
 (KINENOTEより)


MOVIE INFO

邦題: レッド・ステイト
原題: Red State
公開日: 2014年9月23日(全米), 2012年10月27日(日本)
監督: Kevin Smith
ジャンル: ミステリー&サスペンス

TRAILER



REVIEW

ホラー映画だと聞いて観たけど勘違いだったようでした。序盤の展開はホラー映画だったけれど、内容は社会派というか風刺のようなもの。タイトルでわかるだろって話ですね。あえてホラーという言葉を使って言うならサイコホラーとか宗教ホラー?でもホラーではないと思います。序盤の展開だけホラーっぽい作りですが、観進めてすぐにそうではないと気づきます。

頭のおかしい集団に捕まってしまい、捕まった理由が「処刑されるため」だとわかる。そこからはいかにその頭のおかしい集団から逃げ切るかという展開になるのかと思いきや、ひとりまたひとりと主人公と思われた大学生3人は全員殺されてしまいます。うちふたりは教会を制圧しに来たATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)によってあっさり撃ち殺されてしまいます。

同性愛者に対する行き過ぎたヘイトを神の教義であると信じるクーパー牧師(Michael Parks)の教会と、その教会にあると思われる銃火器の取り締まりにやってきたATFという対立の構図。行き過ぎて間違った共和党支持者(協会側)への批判も、都合の悪いことを隠蔽して皆殺しにしようとする体制(ATF)側への批判もたっぷりです。批判というか暴言というかってくらい、こういう人たちのことが嫌いなんかな~って感じました。

最後はキーナン捜査官(John Goodman)の審問会。上司と思われる捜査官二人は、教会のやったことはテロリズム、彼らはテロリストだ、だから”愛国者法”が適用されると言います。裁判無しで永遠に監視ができると。クソめんどくさいしあいつらはクソだから("cos fuck people like this")最初は全員殺せって命令を出したけれど、捕らえたなら話は別です。捜査官は神は人を救うけれど、ムショで他のやつからケツを掘られることからは救ってくれないと笑います。

最後のラッパについて:あの音は、エコで堆肥を作っていた大学生(eco-kids)が、臭い臭いと文句を言うだけでなく車を燃やしたりなどの嫌がらせをしてきた協会側に"クリエイティブなやり方で"した仕返しでした。しかもその堆肥農場は、大麻栽培の隠れ蓑でした。というオチ。

映像はすごくかっこよかったんですが、それで描き出されるのが顔面に縦断を受けた瞬間だったり製作者の「こいつらこういうふうできらい」みたいなdisの感じられる様々な人・思想だったりで、うーん……なんかなあ。最後の審問会でのキーナン捜査官の犬の話らへんとか、最後の一言これやりたかったんだろうな、こういう描写をしたかったんだなというのはわかるのですが、饒舌すぎたんじゃないかって気もします。トレイラーにもあったようなコメディっぽいところは、好きな人は好きかもしれません。

良かった点: Michael Parksの演技、銃がいっぱい

でもパーカー牧師もお前これまでこんなことやっといてそんなこと言うの!?って思ったところがあったので、ちょっと残念でした。

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